OCTアンギオグラフィー(光干渉断層血管撮影)は眼底、すなわち網膜や黄斑の検査です。
眼底にある網膜や黄斑に病変があると視野に異常を生じたり、失明することがあります。

しかも加齢黄斑変性などは生活様式の欧米化に伴い、患者数が増大(10年でおよそ2倍)していますので、今後ますます検査の重要性が高まります。


どのような検査か?

OCTとはOptical coherence tomography 光干渉断層撮影です。
光の干渉を利用して光の進行方向の距離を測定する技術から発展しています。
OCTを短時間に複数を撮影した映像から眼底の血管の様子を検査します。
OCTの映像の中には変化のないもの(動いていない部分)と変化のあるもの(動きのある血管内の赤血球など)があります。
この映像の差から変化のあるものを取り出すと、眼底の血管の様子が観察できるようになります。


現在では眼底検査の一つ『蛍光眼底造影』という検査が多く行われています。
これは蛍光色素を含む造影剤を腕などの血管から注射して眼底カメラで調べる検査です。
細かく詳細なデータが得られる一方で、注射を伴うため薬物アレルギーなどが稀に発生したり、蛍光物質が目に届くまでの時間が掛かるなどの欠点もありました。

OCTアンギオグラフィーでは造影剤を必要としないので、具合が悪くなる方がいませんし、痛みもありません。
また蛍光眼底造影に比べて短時間で検査ができます。

当院では蛍光眼底造影はもちろん行いますが、OCTアンギオグラフィーで対応できる場合には、選択の余地があります。
患者さんの負担軽減や臨機応変な対応のためには色々な選択肢がある方が良いでしょう。

当院以外では大学病院等にも設置、採用されているようです。(平成30年8月現在)
先進的でも優秀な機器は、積極的に導入しています。

この検査が有効な疾患

  • 糖尿病性網膜症
  • 加齢黄斑変性
  • 黄斑浮腫
  • 網膜剥離 など