眼科ドック(眼の定期検診)

定期的に、体の健康診断を行っている人は多いのではないでしょうか。
目に関しては定期的な検診を受けていない人が大半ではないでしょうか。
目の病気は視力を失うことがあります。
視力を失うと、視覚で認識していた物が把握できなくなり、普段の生活が一変するような大きな制限を受けることになります。
目の疾患は、知らず知らず視力が落ちていたり、病気が進行していることがあります。
若い世代においては、オフィスでのパソコン仕事やスマホにより目を酷使していることが原因の疾患が増加しております。
40代以上の中高年では、視覚障害につながる病気の罹患率が上がります。40代になったら誕生日前などの日にちを決めて、定期的に目の健康診断を受けるようにしてください。

厚生労働省の難治性疾患等政策研究事業として、2018年に公表された資料によりますと、視覚障害原因疾患の内訳は、
1位:緑内障(28.6%)
2位:網膜色素変性症(14.0%)
3位:糖尿病網膜症(12.8%)
4位:黄斑変性(8.0%)
5位:強度近視網脈絡膜萎縮(4.9%)でした。

日本人における視覚障害の原因疾患の第1位は緑内障です。*1)
40代以上の20人に1人が罹患していると推定されておりますが、9割の方が気付いていないとされております。*2)
視力を失う可能性のある疾患の大半は、初期に症状を自覚しにくく、一度進行してしまうと治療をしても視力を回復することが難しい病気です。
そのため、早期に発見し治療を開始することが重要です。たとえ症状がなくても、自覚していない疾患が見つかることがあります。
目の定期検診を受け、病気にかかっていないかどうかをチェックすることが、その後の生活の質を大きく変えるものと考えられます。
また治療効果を実感しずらい疾患も多く途中で治療をやめてしまう患者様もいますが、症状の進行を遅らせるためにも定期的な治療が必要となります。

  • 1) Morizane, Y. et al.:Jpn J Ophthalmol 63(1):26, 2019
  • 2)Iwase, A. et al.:Ophthalmology 111(9):1641,2004

眼科ドックの流れ

予約 → 問診 → 検査 → 検査結果について説明 → 眼科ドック報告書の送付

料金・検査時間

料金:22,000円(税込)
眼科ドックは保険の適用外ですので、お支払いは全額自己負担もしくは企業負担となります。
眼科ドックで、何らかの疾患の疑いがある場合は、保険診療で治療をさせていただきます。
同日の保険診療は行っておりませんので、予めご了承ください。

検査時間:約120分
検査時間は検査のみの所要時間です。問診・診察の時間は含まれません。

予約・お問い合わせ方法

眼科ドックは完全予約制です。
お電話にて、予約を受け付けております。
眼科ドック報告書は、10~14日前後にご自宅へ郵送いたします。
9:30-18:30(月曜、金曜は午前のみ、休診日を除く)

注意事項

精密検査のために散瞳(瞳を広げる)薬を点眼する場合があります。検査後も薬の効果が残り3~4時間は目が見づらくなりますので、車の運転を控えていただかねばなりません。車を運転して来院された方には、散瞳薬の効果が消えるまでお待ちいただくか、後日あらためて受診していただくことになります。

眼科ドック検査項目

検査項目検査内容
他覚的屈折検査機器を用いて近視・遠視・乱視を測定します。
自覚的屈折検査遠方と近方の見え方を検査します。眼科で行う一般的な視力検査です。
持参した眼鏡視力検査普段使用している眼鏡の度数で、視力を測定します。
眼圧眼の硬さ(眼の中の圧)を測定することで、特に緑内障の診断に重要な検査です。
眼位左右の眼の向きのバランスを眼位といいます。眼位がずれておこる斜視や斜位がないかを調べます。
調節機能近くのものを見るときの調節力から「老眼」等を調べる検査です。
両眼視両眼を同時に使用してものが立体的に見えているかを調べる検査です。視野検査(オクトパス静的量的視野検査)を行い視野(眼を動かさずに見える範囲)の中心部を測定します。緑内障の診断に有用です。
眼底撮影眼の奥の網膜を撮影することで、視神経や、黄斑部(網膜の中心)、網膜血管の評価をします。
眼底三次元画像解析検査(OCT)赤外線で眼の中の断層撮影を行い、網膜の層の状態などを撮影します。黄斑疾患、緑内障の診断が可能です。
涙液検査ドライアイの検査で、涙の量を調べます。
角膜内皮細胞検査角膜の内皮細胞を撮影して、その数・大きさ・形を調べます。
診察
細隙灯顕微鏡検査角膜や結膜、水晶体などを検査し、眼の傷や涙の状態の検査や、白内障などの有無を調べます。
BUT検査
(涙液層破砕時間)
涙液が角膜表面から乾燥する時間を測定し涙液の安定性を評価します。